ごみだまろぐ

甲虫屋のネガティブ日記

煌めく青のモーションは 材にも共鳴して止まないの

ルリクワ採りてえな……九州のじゃなくて採ったことないヤツ採りたいな……


あ,ホソツヤルリ,採るか.


ぼくと同年代の虫屋で,ルリクワといったらカキヌマ君だろう.

今回の彼の近影です


彼は性格は良くないが採集能力には長けているので,彼に案内してもらえばぼうずは無いはずだ.

というわけで,おそるおそる

「行きませんか……?」


と言ったら二つ返事で承諾してくれた.たすかる!!!!!


さらに,

「今年は季節の進みが早いからフライングでツジウスもいけるかも」

と言うではないか.


もちろん,これも狙うことにした.

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彼の家の最寄り駅で落ち合い,今回の採集の舞台となる長野県へ向けて車を走らせる.

道中,



あああああ!!!!!!ビャクシンカミキリ採りたい!!!!!!!!!!

と叫んでみせたり,


アアアア……ビャクシンカミキリとりたい……


と彼の耳元でささやいてみたりしていたら,夜になったら狙ってみようかという.



え,そんなノリで採れるむしなの?なんか結構珍しいイメージあったんだけど……


彼の話だと針葉樹の土場だったらだいたいイケるらしい.ただ,彼も土場の場所なんて知らないから,あくまで運良く土場があったらということだった.


というわけで,車窓からめんたまをまんまるにして土場をさがす.

日が暮れても.

なんもみえねえよ!!!!!!


でも目の前に運よく土場があらわれた.


さっそく車をおりて見回る.ゾウムシはぺたぺた付いてるがカミキリはいない.

やっぱそんな甘くねえよなと諦めかけて一周するころ,








「おい,いたぞ」


との声が.ええっ,まじか!!!



ああああああああああああああ!!!!!!!!1本物のビャクシンカミキリだ!!!!!!


この個体をもらってしまう.ありがとうかきぬま君!きみ性格良いな!!!


さて,自分でも見つけてみたいのでもっと探す.すると一回見たはずの場所でビャクシンがいた.

しかも,

なんか,


多い……


なんでなのかは分からないが,しばらく経つと大運動会状態に.過呼吸になりました.


オマケでスギカミキリも拾った.らっきー!


二人でそこそこの数のビャクシンを採り,切り上げ.

明日のツジウス採集にそなえ,車中泊した.

        • -


翌日.この日の午前中はツジウス採集に充てることに.

というわけで超有名ポイントのなんちゃら林道に.


この林道の入り口には門番のお姉さんがおり,一応あいさつをしておく.

すると,,,



「土砂崩れで通行止だから,歩いて入るぶんにはたぶん大丈夫だけど工事の邪魔はしないように」

たぶん……?


というか,カエデの場所までは登れるのか?

不安になりながら林道をてこてこ歩く.一応カエデは木によっては咲いているようだ.


実績のあるカエデ(というかどの木も実績はあると思うが)までは登れたが,そのすぐ先が土砂崩れの現場のようだ.


工事してます


実績のあるカエデ


日が高くなり,ぐんぐん気温が上がる.それと同時に尋常じゃない量のむしが訪花し始めた.


これだこれだ,こうでなくでは.


テンションをあげながら花をすくうと,尋常じゃない量のヒナルリハナ,キバネ,ピック,,,,


以上.


あ,あれ〜〜〜?トウキョウトラは?ピニボラは?ツジウスは???


お昼くらいまで粘ったが,Glaphyraの一頭も入らない.


どうやら,季節の進行に虫の発生が追い付いていないらしい.

カエデノヘリグロ.なんでこんなむしの写真を撮ったかというと,カエデの花でカエデノヘリグロを採るのは初めてだったからです.

というわけで,ツジウスは諦める.帰る時も門番にあいさつしたら,


「君らはこの林道にいれちゃったけど,これからはもう歩行者も入れないようにしたから(大きい)お友達にも教えてあげてね」

とのことだったので,かきぬま君が必死にツイッターでこれを広めていた.


通行止は今年の6月くらいまでなので,来年ちゃれんじしましょうね.


ちなみにここは例年20〜30人のカミキリ屋が来るらしいので,ぼく以外の虫屋虫屋を辞めない限り二度と行きません.(ひとがこわいので)



というわけで,午後からは本命のホソツヤルリ採集.

かきぬま君が車横付けで採れる場所を知っているらしいので,容赦なく案内してもらう.


こういうとこです



ホソツヤルリは細目でなおかつ乾燥気味(気味,というのがミソ)の立ち枯れか宙に浮いてる材に入るらしいので,そういう材を注意しながら探す.




しかし,あんまりそういう材はナイデス.

あったとしてもカラカラで産卵マークすらなし.


ウンウン唸っていると,かきぬま君がマークがついてる材を見つけて教えてくれた.

この材からは何も出なかったが,だいたいイメージはつかめた.


改めて探すと,部分枯れには結構マークがついていることに気付く.


がんばって削ると,何本目かで成虫が出た.


ちょっときらめきが強い気がしたので,かきぬま君に判定してもらうとホソツヤルリとのことだった.

やった〜〜〜!!!!いいむしだなぁ.




その後も斜面をヒイヒイ言いながら上り下りしていくつか追加した.

メスでも綺麗なんだけど,写真ではぜんぜんそうに見えないな……とりあえずキュウシュウコルリのオスよりも美しい.


マークの下を削っても幼虫か虚無しか出てこないが,材の根元か,部分枯れの木に密着している側は比較的湿度が残っており,そういうところに成虫が入っていることが多かった.

数時間採集したところで,満足.

シュウカツ(さいしゅうかつどうの略です)を終えた.

かきぬま君,ありがとう.また採集にいきませう.