学会と僕とペットボトル
久々の更新.
先日まで昆虫学会があり,愛媛の松山にいた.
このような場だから言うけど,ぼくは学会というものが非常に苦手――というか,じっとして人の話を聞いているというのがどうにも苦痛に感じる性分なので,暇を見つけては外を出歩いていた.
松山は一見都会には見えないものの人口は約50万を数え,それなりに人が多い.
したがって松山近郊の野山では網を振り回すわけにもいかず,"つやありばち"を探すくらいしかすることがなかった.
そんな中,学会会場のすぐ近くでわりとAmpulexが採れるらしいぞ……との話を小耳に挟んだ.
Ampulex自体そこまで珍しいハチではない.しかしながら,ぼくは今までこの青くて珍妙なハチを見たことがなく,ぜひともお目にかかりたいものだ,と思った.
そして次の日,ぼくはその――ドーゴ公園とやらに――行ったのである.
忌々しいでぶの先輩が一緒に探そうなんて言うものだから,参ったな,予定が狂ってしまった,とため息をつきながらその場違いなでかい足音が響き渡るまで律儀に公園のベンチに座って待っていた.
1時前45分――つまるところ15分くらい待ったところで,ふうふうふうと息を切らせながらやつが来た.
それではいきましょうかと一緒に公園を歩く,,,歩き出したところで,しまったと思った.
採集道具がない.
しかし会場まで戻るのも癪だった.戻ってきて,やつが青くて珍妙なハチを見せびらかしてきたら――
ぼくはかばんを開け,中から空のペットボトルを出した.これでハチを採るのだ.思ったより口が小さいけど……なんとかなってほしい.
サトセナガアナバチAmpulex dissector Thunberg, 1822
これは♂.いわゆるエメラルドゴキブリバチとかいう知性のかけらも感じられないクソダサイ俗名で呼ばれているハチの仲間.
同種の♀.けつがとがる.表面彫刻も違う気がするけどよく分からない.