ごみだまろぐ

甲虫屋のネガティブ日記

麗しの島で,時を止めて踊り出す 中編

3/28.朝に起床.外を見る.晴れだ!!!!!!!!!!!!


でも今日が南投縣最終日だ.何もこんな日に晴れなくても.

さっそく初日のポイントへ.今のところ,ここが一番虫が採れている.

森の中を歩いていると,足元の草むらからぶんぶん音がする.

こんなのが!ワリックツノハナムグリDicronocephalus wallichii bourgoiniだ.見てみたかった種なのでうれしい.


ほった君はというと,ホッポアゲハPapilio hoppoを採り逃がして悔しがっていた.パピリオォ!

この後は南山渓へ.

木のまわりを何かが歩いていると思ったら,タイワンネブトクワガタAegus laevicollis formosaeだった.


糞にはタマオシコガネの仲間が来ていた.こいつらは糞球を転がすというよりも自分で転がる.


やっぱり昼間だからかゴミダマの姿はないが,それでも雨の時に比べ虫は多い.死にかけの花を掬ったらいつものハナムグリとオオキスイが採れたが.


後ろ髪をひかれつつも,南投縣から移動する.


移動途中で買ったアスパラガスジュース.アスパラガスの味は全くしなかった.


台湾南部,屏東縣(ぴんとぅんけん)の道.

ハチ屋の先輩から屏東縣の採集のポイントを2つほど教えていただいたので,そこへ行くことにした.

まずは一つ目のポイントに向かったが,どんどん悪路になっていき,しまいには車で通れなくなってしまった.

おかしいなぁ,確かに道は合っているはずなんだけど…….


まあ,帰国したらたっぷり文句を言ってやろう.

続いて2つめのポイントへ.夜だったので入り口を探すのに少し手間取ったが,無事に到着した.

しかしこのポイント,やたらとパッサパサである.


キマワリの仲間.


アオスジカミキリXystrocera globosa (Olivier, 1975).こんなとこにいなくてもいいじゃない.


ヲヲキノコの仲間.

と,こんな調子で山道を歩いていると,同行者のN田くんが突如「アオハブ!!!」と叫んだ.

見ると確かにアオハブらしきヘビがいる.が,小さい.どうやら幼蛇らしい.

「このくらいの大きさなら,咬まれても大丈夫ですね」と言いながら,彼は軍手をはめて素手でわしづかみにした.


やめろよ.


つかまえられたアオハブ.かっこいいことは否定しないが…….


帰り道はアオハブのような陸生貝類を見つけた.南西諸島にいるアオミオカタニシにそっくり.


今日は車中泊をした.


6日目に続く.

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3/29.朝,目が覚める.当たり前のように晴れ.屏東縣採集1日目.

まずは宿を探した.台湾南部では屏東縣車城郷にある四重渓温泉で宿を見つけたほうがいいよ,というありがたいアドバイスをあらかじめいただいていたので,そのあたりで探す.



ちょうどセブンイレブンの真横にホテルがあったのでそこを宿にした.少しまけてもらい4人部屋で一泊1500元だった.


宿を確保し,昨夜のポイント(K山と言います)に登る.


こんなところです.

クマバチの一種の巣に,ヒラズゲンセイCissites cephalotesが来ていた.日本にもいるけど,採ったことないからいいか…….


ビーティングで綺麗なハムシを落とした.


気温がどんどん高くなり,ついには日中の気温が30℃を超えた.うおお,暑い.

しかしぱっさぱさだ.あまりに虫が落ちない.

あまりに虫が落ちないので,材を削ったらサソリが出てきた.

ヤエヤマサソリにそっくり.


日中の部はこんなものだった.あまりに虫が採れない.夕暮れ時に,網を振りまわしていたほった君がカッコいいカミキリムシを採ってくれた.明日は昼間ずっとスイーピングしようと思った.


新しい場所を探すのもいいかもしれないと思いつつ,夜見回りへ.

いつもと同じ種しか採れなかった.

7日目に続く.

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3/30.起床.晴れ.暑い.


ホテルのロビーに行くと,どうやら朝ごはん付きだったようでごはんを作ってもらえた,ありがたい.

清粥(おかゆ)とサラダ,でんぶのようなもの?,等.肉類がほとんどなく,きわめて淡泊な味付けだった.



この日は里龍山(リーロンシャン)に行くことに.つい最近,ここで採れたネッタイマダラクワガタが新種として記載され,時間があれば採ってきておいてほしいと友人に頼まれたためだ.

実際に里龍山に着いて愕然とした.


採集禁止.



まあ環境だけ見てみようじゃないかと山登りをはじめたが,きわめて急峻であり,かつ気温が30℃をこえているので途中で退散してしまった.聞くところによると2時間くらい登らないと採集地に行けないらしい.地獄だ…….

夜見回りはK山で頑張ったが,ろくに虫が採れなかった.

8日目に続く.

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3/31.今日も朝から暑い.

ぱっさぱさのK山ではろくに採れないため,新しい場所を探すことにした.


車を快適に走らせていると,途中花が咲いていた場所を見つけた.

さっそく車を停め,花をすくいまくる.



……何も入らない.


よさげな花が咲いているのに何も虫がきていなかったり,虫が来ている花でも網がとどかない場所ばかりであり,歯がゆい思いをした.



何か所目かはもう忘れたが,また花を見つけたのでだめもとで掬ってみる.


…….

名前は忘れたが,結構珍しいアオカナヘビの仲間らしい.台湾の南部にしかいないとか.

この他には,ほった君がぼくにくれたかっこいいカミキリとか,ハナムグリが入った.しょうもないけど,虫が入るだけましかな.

結局一番よかった花はここだけという有様だった.上のほうには虫がぶんぶん飛んでいることが確認できたけど,網がとどかない…….


そんなこんなで正午を迎えてしまい,午後は新しい場所選びに専念することにした.


とある集落の近くによさげな公園を見つけたので,様子を見てみることにした.


山道もあった.

叩いても何も落ちないが,朽木はよさげなものが結構落ちていた.

とりあえず,足元にあったものを適当に蹴飛ばすと,

でかいStrongyliumが出てきた.


でもこのくらいだった.この場所は湿度はわりとあるみたいなので,夜見回りはここでしようかな.


宿に戻り,晩飯を食べて日暮れとともに出発.


…….

カミキリ1頭くらいしか採れなかった.


帰り道にはセダカヘビの仲間.

9日目に続く.