that's raining hope
「今週末大隅でも行っとく?」
何気ない一言が惨禍を引き起こすことって,ぼくはあると思うんです.
※この採集は貧果だったので全体的に口調が辛辣です.
今回の大隅採集にあたって,大学2年のだーいまと1年のナントカくんを連れていくことにした.
彼がだーいま君.こう見えて昆虫班班長.
しかし,1年生の子が急に来れないと言い出すのだ!お腹の調子が悪いとかなんとか.
ぼくだって絶賛カンピロバクター症ですが何か?
と言いそうになったが,グッとこらえた.
お腹を壊している人間同士,優しく手を取り合うのがこの世界の有り方というものだから.
ということで2人での採集となったが,だーいま君は免許を持っていないので,300km近い道のりを一人で運転して大隅まで行った.
天気予報では,天気は良いものの気温が低め……ということだったが,いざ蓋を開けてみれば,雨がざんざか降っているではないか.
雨雲レーダーを確認するとチッコイ雨雲がかかっていただけなので,すぐ止むだろ……と思っていたが,いつまでも止まないではないか.
まあこの時点でもうね……という感じだったが,まさか引き返すわけにはいかないので採集をする.
ヤンヤヤンヤしていると日没になったので,ライトを点灯させる.
なんで点いてないライトがあるの?という質問があがってくるかと思いますが,端的に言うと雨でぶっ壊れました.
ライトを点けた瞬間,むわ〜〜〜〜〜っと虫が来る……わけもなく,ただただ夜の森を照らすだけ.
あ〜〜〜〜ツマンネ.
イジけてボソボソやっていると,免許を持っていないため300km近い道のりを一人で運転させただーいま君が申し訳なさそうに「先輩,白布にリンゴカミキリみたいなやつが来ています……」と.
なにぃ!?!?それはヤツだ!!!!!!
急いで彼の指さすところに行くと,そこには何も無いがあった.
あ〜〜〜〜〜〜〜逃げられた〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜.
死にた.
だーいま君が「すみません,自分のせいで……」とかなんとかペコペコ謝っていたが,正直そんなのは頭に入ってこないくらいショックだった.
どのみちその時その場所にいなかった自分が悪いのだ.
で,ヤツのゴールデンタイムが過ぎ,
ちょっとするとオオスミヒゲナガが飛んできた.
もうやる気ない写真しか撮れない.
しかし,いくら探しても♀がいない.
雨だからかな〜?気温が低いからかな〜?
で,森に入る.
で,木に黒いものが這っているのをぼくは見逃さない.
オニユミアシ……と言いたいが,これは小さいので普通のユミアシだな.うん.
で,また……
今度は♀だけど,これはそこそこ大きい.生かして持ち帰り,産卵にチャレンジ.
で,またまた……
これは正真正銘オニユミアシゴミムシダマシ.いや〜〜〜やっと採れた.
白布に戻ると,オオスミが来ていたのでだーいま君にあげた.彼はひどく喜んでいた.何が楽しいんだか
その後もしばらく虫を探したが,アレなので寝た.
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次の日.
朝は天気が良かったが,どんどん天気が悪くなっていった.
昼間は花でも掬おうかと思ったけど見事に何もいねえ.
仕方がないのでラナルータを唱えた.夜になった.やったぜ.
ライト点灯!!!
画像は使いまわし……なんだけど,実はこの画像は2日目に撮ったのだ.
ヤツはもちろん来ない.
というか虫がいないというか昨日よりももっと雨がひどくなっているというか正直寒いというか……
採集は残念な形で幕を下ろしました.
帰りももちろん無駄に疲れた身体に鞭打ちながら300km近い道のりを一人で運転して帰りましたとさ.
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お天気の神様はただ気まぐれに雨を降らせていただけかもしれないけど,ぼくにとってこの日の採集はちょっと特別な意味を持っていたんだよ.
今回は院試前にできる最後の採集だったんだよ…….
まあ雨が降るだけならまだいいよ.何?20℃って.ふざけてるのか?
虫は採れなかったけど全身ヤブカとヌカカに食われて苦しいよ.なんだよヌカカって.去年までいなかっただろ.
これから毎日陰鬱だ…….