ごみだまろぐ

甲虫屋のネガティブ日記

恋のカルノーサイクル

鹿児島県の大隅に2泊3日で採集に行ってきた。


まず寝坊した。本来は7時の電車に乗らなければいけないのだが、7時38分に目が覚めた。

この時点で既にしにたくなった。迷惑かけてごめんなさい……。


結局1時間も遅刻し、詫びながら採集地へと向かった。遅刻の罰ということで8割くらい運転を任された。つらかった。
車の運転は嫌ではないが、久々の運転ということもありかなり慎重に運転をしてしまった(裏を返せばのろのろ運転ということ)。


15時くらいになってようやく採集地に着いた。日没まで時間が有り余っていたのでもそもそと採集をすることに。

道具の準備をしようとしたら、ぶ〜んとオオスミヒゲナガカミキリDolichoprosopus sameshimai N.Ohbayashi,2001が自分のすぐ真上を飛んで行った。

え!昼間なのにもう活動してるのか!走って走って追いかけ、手で叩き落とした。

やったー!オオスミヒゲナガ……だ……?

あれ……?


またしにたくなった。


さっきのことはなかったことにして、ビーティングしながら歩き回った。

カノコサビカミキリ Apomecyna naevia naevia (Bates,1873)。初でした。

ヤマトタマムシChrysochroa fulgidissima (Schonherr, 1817)。

この辺りのヤマトタマムシは青っぽくなる、らしい。この個体は会合線のあたりがちょっと茄子みたいな色をしていた。画像ではあんまり分からないかもしれない。

他はフタオビミドリトラカミキリChlorophorus muscosus (Bates,1873) や、アラメゲブダマなど。

ひっきー。


そんなこんなで暗くなったのでライトを付けた。薄暮時にはルフェッセンスが飛んで来るのだが、この日は来なかった。

私はオニユミアシゴミムシダマシPromethis amanoi (Masumoto,1987)を探しにあっちへ行ったりこっちへ行ったりであまりライトを見れなかった。そして21時頃、「オオスミヒゲナガ来たぞ〜」との声が。あああ、もう来たのか。飛来は0時過ぎだと思っていたが、この時間帯にも来るらしい。

こうなりゃ自分もオオスミ採りに参加だ、ライトを見つつまわりの木をしばきまくる。


でも来ない!


採れやしないのでまたオニユミを探しに行こうとしたら、ライトのすぐそばの樹幹で大きな黒い物体を見つけた。

んんん……?


今度こそオオスミヒゲナガだった。しかもピカピカの♀!嬉しかった。


近くの木にこんなのもいた。


で、オオスミはめでたく採れたのでオニユミ探しに精を出す。道沿いをうろうろ、林内をうろうろ。



でもいね。全然いね。


おっかしいなぁ〜、と思ってライトに戻ったら、同行者の1人がライト近くの木にとまっていたのを採っていた。な、なんだってー。歩き回った意味ないべした。またしにたくなった。

で、もらった。嬉しいけど自分で採りたいです。


その後も散々歩き回ったけど見つからなかった。

ライトにまたオオスミが来ていた。今度は♂。

これで今晩は終わり。



次の日になり、今度は場所を変えてライトをした。昼間は採集をほとんどしなかったので吹っ飛ばす。

薄暮時になり、ライトをつける。ここでは昨晩ルフェが飛んできたらしいので期待が高まる。


と、さっそくライトにルフェが来た。その後ぞろぞろとルフェが来た。


でも悉く自分がその時いた幕の反対側に飛来していたので採れなかったのさ……。
悲しいね、人生って。しにたいを飛ばして消えたくなった。

うだうだ言っても仕方ないのでオニユミ探しで本気を出す。ここではオニユミが採れていないらしい。じゃあいね〜だろ。

何度そう思ったか分からないがとにかく探した。ライトはひたすら無視してとにかく探した。歩き回って、靴擦れで足のいろんなところから血が出た。足が疲れてしばらく動かなくなった。ライトの電池がなくなってきて視界が著しく悪くなった。携帯を真っ暗な林内に落としたことにしばらくしてから気付いた。網の部品も落としていた。

でも探した。




でもやっぱりいねえ。



だめだ、しにたい。



途中ルリツヤヒメキマワリモドキSimalura coeruleaが採れた。初だったので興奮した。


戻る時間が遅すぎると心配をかけてしまうので後ろ髪をひかれつつ戻った。道中ナイターをしていた別のカミキリ屋さんと話をした。その人のライトにどうやら21時頃またルフェが来たらしい。もしかしたら自分らのライトにも来ているんじゃないか?まあ、採られているだろうけど。


しにそうになりながら自分らのライトに戻った。やっぱり21時頃ルフェが来ていたらしい。んんん。

クソみたいに歩き回るよりライトの前で終始ダラダラしてるほうが成果がいいなんて……しね自分!ぼけなす!と言いたかった。

この日もオオスミは結構来ていたらしい。自分はほとんどライトを見ていなかったので分からなかったが。もちろんオニユミを探していたからライトを見れなかったということはあるが、他の同行者(同大学の)にどうやら煙たがられているっぽかったのでライトに居づらかった。本当に生研やめたいと思った。まあオオスミは歩き回っているときにぽつぽつと採れたのでよい。


この日はこれでおしまい。次の日は一日かけて福岡に帰りましたとさ。


ルフェはまあアレだが、オニユミはちゃんと自分で採らなくちゃな。そのうちまた来ようね。


おまけ

今回使用したカメラはTG-3。夜中でもヘッドライトを使えば撮れるのでよい。しかし、マニュアルフォーカスがないので撮り方がへただと上の写真のようにピンが甘くなってしまう。ピンを合わせようと思うとかなり時間をとられる。TG-4にはマニュアルフォーカス機能も付けてくださいね、オリンパスさん。