ごみだまろぐ

甲虫屋のネガティブ日記

新年一発目採集 九州最珍品の壁は高い

テストが終わったので採集に行ってきた.


……まずは,これから幾度となく採集のお世話になるであろう,バイクの説明からしようと思う.


セロー250の2013年仕様である.

一般にオフロード車は悪路での走破性を高めるためにシート高が高く設定されているが,このバイクはそうした走破性を多少犠牲にしながらも"二足二輪"をコンセプトに作られたため,シート高は820mmと背の低い人でも乗れるようなつくりになっている.

車と比べて荷物の積載性は悪く,また(オフ車は)スピードが出ず高速道路では左車線を90〜100km/hでずっと流すことになる.

また,風圧や気温の影響をもろに受け,移動時間は快適とは言い難い.



しかし,そうした欠点をすべて覆すほどバイクの運転というものは楽しいもので,自分が車ではなくバイクを買ったのもそういう理由がある.

また,車では入っていけないような狭いダートでもスイスイ入っていくことができ,小回りが利くのでUターンがしやすい.

悪路を進むだけ進んで,無理だったら引き返す.そうしたことが簡単にできるため,そういった点においては車との差別化がはかれるだろう.



本題に移ろう.今回狙うのは,もう何回も挑んでは撃沈している九州のゴミダマ界の王者,オオクロキノコゴミムシダマシPlatydema umbratum

このゴミダマを一言で表すなら「冗談は珍品度だけにしろ」といった感じか.

幸いにも数年前に目撃証言があったため,その地に赴くことにしたのである.ただ一つ気がかりなのは,過去にその地でこいつを探した人が,「あそこはか〜〜〜なり環境が悪い」と言っていたことぐらいか…….


というわけで,熊本県某所に来たのである(余談であるが,今回からはたくさん写真をこのブログに使おうと思って多く写真を撮ろうと心に決めたのである.ご期待ください!).

目的地だけ決めて完全にノープランだったので,とりあえず道路脇のまともそうな林を見つけて入った.
この感覚,久々だなぁなどと感慨に耽りながらめくれあがった立ち枯れの樹皮をそっとめくると……

くっ……!ニアピン……!でもやたら小さい.


キノコゴミダマの同定は苦手なので,とりあえず採っておいた.家に帰って調べたところ,ツノボソキノコゴミムシダマシPlatydema recticorneという種っぽい.たぶん,初採集.

写真が全体的にピンボケなのは許してください…….


この種はベニモンキノコゴミムシダマシPlatydema subfascia.こいつは「冗談は駄物度だけにしろ」といった感じ.


ここではこれくらいしか見つからないというショボイ結果に終わった.やはり,完全な低地よりは低山地を探したほうがいいかな?と思い,K岳という山を目指すことにした.


……だがしかし,山への道が見つからない…….

梅の花かな?(現実逃避)


さんざん道に迷っていると,なんかかなり良さげな疎林を発見した.ここだ,ここなら行ける……!そう思い,採集を始めた.


しかし,出るのはナガニジゴミムシダマシCeropria indutaの集団越冬と,ミヤマオビオオキノコEpiscapha gorhamiだけ.写真どころか採るのすら嫌なレベルだ.


時間もそろそろ尽きてきたので,採集は終わることに.この時期の運転は身体が冷えて仕方がないので,温泉に入って帰った.

写真をいっぱい摂るとか言っておきながらちょっとしか撮ってないじゃないか……次回にご期待ください.