ごみだまろぐ

甲虫屋のネガティブ日記

また部屋にコバエが発生し始めた

木曜日に、今期最後の生物研究部の定例会があった。
私たち現2年生にとって、最後の定例会であった(おそらく留年しても出ることはないだろう笑)。


昆虫班の定例会では、数週間前から各人が自分が好きなテーマ(大抵は自分が専門としている虫について)を決め、それについて数分間スピーチをするという取り組みを始めた。
これはもともと海洋班の定例会の試みであったが、昆虫班では定例会を開いても毎回特に話題はないようであったので、輸入させていただいた。


最初はそれぞれが好きな虫について理解を深めることができればいいと思っていたのだが、この試みはそれよりもむしろ、それぞれの虫に対する考えを知る、ということで役に立つことになった。

私は、ゴミムシダマシ分類学的視点から眺め、それについてずっと考えてきた。思うに、今の3年生以上の方々も分類を絡めた考え方をしている方々が多い。

だから、たくさんの種について理解を深めなければいけないし、より多く採集に行く必要がある。採集に行けば、その虫のありのままの姿を見ることができる。そこから学ぶことは必ずあり、また、標本を多く集めることこそが、分類学の第一歩だと思っているからである。


正直に言えば、今の1年生には、積極的に採集に行っている人が少ないように感じる。私は上記のような考えを持っていたから、以前は虫屋は全てそうあるべきだと思っていた。
今の1年生は全然採集に行かん、それじゃあダメだ、と先輩方を言い交したこともたびたびある。


しかし、この試みで、1年生の多くは、我々とは別の方角を向いているようだ、ということが分かった。

彼らは、分類よりも、その生態に興味があるのだ。彼らにとって大切なことは、ケースの中の虫を観察することであり、どこにどんな種がいるのかを探求する採集ではないのだろう。

少なくとも、彼らは中学生、高校生の時はそうして過ごして、論文を執筆するなどの成果を上げてきた。おそらく、大学に来て、それを更に究めたいという考えがあるのだと思う。

私個人の意見としては、自分が観察してきた種だけを考えるのではなく、さまざまな種を見て、もう少し広い視野を持った方がいいのではないかと思うのだが、生態に関しては彼らより知識はないので、何も言わないつもりである。


もちろん、1年生の中には分類学を志している人が何人かいる。これからは、1年生全員を、採集に行け採集に行けと急かすのではなく、分類学を志している人と生態学を志している人の両方が共存している環境を来年につなげていきたいと思っている。