ごみだまろぐ

甲虫屋のネガティブ日記

後期日程開始

もうすっかり秋。

もうネットを振り回したり、ビーティングをばしばしやったり、夜の見回りしたりすることも終わり。
今年のシーズンは、コレだ!というものは残念ながら無いものの、細かな経験を積むことができたというか、まぁいろいろやった気がする。


秋といえば芋煮会である!東北地方以外ではほとんど芋煮をする文化はないということを聞いてびっくりした記憶がある。芋煮なんてしらないよという人のために少し説明すると、芋煮会というのは春に花見をしたり2月の節分で豆まきをしたりするのと同じくらいなじみ深い行事で、主に秋ごろ、河川敷(ここ重要です)にみんなで集まって豚汁のような料理をつくってぎゃあぎゃあ騒ぐ、ただそれだけの行事。

つまり、東北の馬鹿みたいに暑い夏の最中、農作業や仕事、学業に励むことによって発生するストレスを一気に発散できる、素晴らしく合理的なイベントなのだ。

東北の夏は涼しいと思っている人は多そうだが、それは必ずしも正しいとはいえない。
日本列島の太平洋側はそこそこ涼しい場所は多いようだが、私の生まれ育った福島県会津若松市では、盆地ということもあってあぁ暑い暑い暑い!ひどい日だと40度近くまで気温が上がる。
避暑も兼ねて観光に行こう、などと考えてはいけない。

ちなみに冬はもっとひどい。下手をすれば死ぬ。


それで芋煮であるが、ひとくちに芋煮といっても地域ごとで大きな差があることが特徴であり、おもしろいところでもある。

まずは味付け。大きく分けて味噌を用いる地域としょうゆを用いる地域がある。会津地方では専ら味噌を使う。私はしょうゆ味の芋煮を食べたことはない。

次に具であるが、会津地方では豚肉、サトイモ、ニンジン、ダイコン、ゴボウが絶対入っていた。むしろ、どれか一つでも欠けていたらそれは芋煮ではない。そんなもの、私が芋煮だとは認めない。もうこれは絶対の掟である。

今さらではあるが芋煮の芋とはサトイモのことであり、断じてジャガイモやサツマイモではない。もしあなたが芋煮を作ることになったとして、サトイモの代わりにサツマイモなんて入れてしまったら、その場にいる東北人は怒りのあまり顔が土色になり、声も出ず、こぶしをわなわなと震わせて、その後もう一生口もきいてくれない、かもしれない。

福島県の牛肉の消費量が全国でも下位であり、日常生活でも牛肉を口にすることはそれほど多くなく、家庭料理に入っている料理はほぼ全て豚肉だった。
つまり会津地方で肉といえばだいたい豚肉のことであり、芋煮会のときに、わざわざ特別な存在である牛肉を用いる必要などないのだ。
私は牛肉が入った芋煮も食べたことがない。

他の具はそのときの料理者の判断によって加えられることがある。

余談であるが秋田県では芋煮にきりたんぽを入れるらしい。それは芋煮ではなくてきりたんぽ鍋のような気がするのだが……?


このように、芋煮とは各地域によってバラバラな料理であり、各人がそれぞれの芋煮について深い思い入れを持っている(と思う)ため、東北各県の人間が集まって開催される芋煮会では、多分に、おそらく、衝突は避けられないと思われる。
特に、○北大学ではサークルや部活の行事として芋煮会があるらしいが、そのあたりの折り合いをどう付けているのか気になる。


うちの部活でも芋煮会をやろうと一瞬思ったが、九州ではこのような文化はないため、この時期に河川敷で料理などしていたら奇異の目で見られるだろう。



今年は自宅でひとりさびしく芋煮会をやろう。