その右手は朽ち木にだけブチ込むものじゃないだろ
今シーズンの夏は涙がちょちょ切れるほど全く成果が出せなかった年で,正直もう思い返したくもない.
だいたいなぜ毎週土日にだけ狙いすましたように雨なんだ!?おかしいじゃないか!!!
・・・まあ過ぎてしまったものは仕方がない.自分の経験不足によるところもあるだろう.
夏のことはもう終わりにして,秋~冬のミーハー虫にシフトしよう...
ということでエサケルスに参加してきました.
続きを読む行かなきゃ河川敷 憧れだったはずなのに
今回は珍しくゴミムシを狙いに.
しかもあのUFOのような独特なフォルムのゴミムシだ.
初めて原色でプレートを見たときは度肝を抜かされたことを今でも覚えている.
もう一回度肝を抜くために会いに行ってきた.
続きを読む1・2・3で塗りまくれ ビリディ・ペンニス・ブラップトイデス
もしかしたら,おれはキタカブリを採っていたつもりだったのかもしれない・・・
続きを読むカミキリ大図鑑
むし社からカミキリ大図鑑(I)が出ました.
紆余曲折あっていまさら届きました.ご心配をおかけしました,,,
内容の方は,とても素晴らしいです.カミキリの変異を綺麗な写真にしてプレートにして並べるという試みは今までありそうでなかったですね.
あれだけの標本を集める苦労はあまりあるものだったでしょう.あらためて著者らには敬意を表します.
一方で分類学的変更も行われていて,20近くの新亜種が記載され,亜種が種に昇格したり,その逆も行われています.
解説を読んでいると,しばしば”亜種的な差異”という言葉が出てきます.ここで疑問に思うのは,著者は亜種を何だと思っているのか?ということです.
虫屋の間では「亜種間の差異は種間の差異よりも小さい」程度に思われている方が少なからずいるようです.しかし,種と亜種の間には大きな隔たりがあります.それは,亜種は所詮種としては同じだということです.同種と別種なんだから,大きな壁があります.
同種内の変異なんだから亜種間の差異は小さい傾向はあるでしょう.しかし,何らかの根拠があって同種として判断され,その結果種内変異が小さいという考察は行えても,差異が小さいからその結果同種とする,とは言えないと思うのです.実際,種間でもかなり差異の小さい場合は少なくないですし,亜種間でもかなり見た目が異なるものもいます.差異の大小はあくまで結果としてであり,同種か別種かを判断するのに差異の大小を用いるべきではないと私は思います.
図鑑を読んでいると,新亜種として記載したのはいいが,なぜ同種と判断したのか?がほとんど書かれていません.解説中では”亜種的な差異”という言葉で片付けられていますが,そこを掘り下げてほしかったですね.また,記載文中に根拠が書かれていないのは極めて不親切だと思います.新亜種の記載をするうえで,これだけの差異があるのにもかかわらず同種として判断したという根拠は必要だと思いますし,そこが亜種記載の一番難しいところで,一番面白いところでしょう.
また著者の方は,あくまで写真集みたいなもんだから,と仰っているようですが,正式な手続きを踏んで分類学的変更を行っている以上,そうした言い訳は通用しないし,そう言ってしまう姿勢にも疑問を覚えます.
一応こちらとしては貴重な標本を記載上必要だからという理由で渡していますから,逃げ腰の姿勢ではなくて,そこのところをはっきりしてほしいですね.2巻と3巻には期待しています.